急須のなかは、小さな自然だった
\この記事をシェア/
急須からお茶を淹れるって、ちょっと手間がかかります。
ティーバッグならお湯を注ぐだけ、ペットボトルのお茶なら、もうできあがっています。便利なのですが、ふと気づきました。
最近、私たちはお茶の葉をまじまじと見る機会があったでしょうか。今日はゆっくり急須で淹れながら、お茶の原点に立ち返ってみましょう。
急須のなかを眺めてみる

カレーをつくるときには、じゃがいもやにんじんを切るところから始まります。ごはんを炊くときには、お米を研ぐところから始まります。
けれど、お茶はどうでしょう。私たちは飲み物としての「緑茶」は目にしていても、その原料である茶葉をじっくり見る機会は意外と少ないかもしれません。
急須で淹れた方が美味しいと聞きますし、今日は丁寧に淹れながら、茶葉を観察してみましょうか。

急須にお湯を注ぐと、細長く整えられた茶葉たちが、ゆっくりとほどけていきます。
茶葉の繊細な広がりをこんなにじっと見つめたのは、ほとんどなかったかもしれません。
その様子を眺めていると、飲み物というよりも、植物を観察している感覚に近くなっていきます。
それもそのはず。もとをたどれば、お茶は「チャノキ」という植物からできています。
また、YOGŪのスタッフから聞いて初めて知ったのですが、実は中国茶のお作法には、茶葉を鑑賞する時間があるのだそうです。
お茶を淹れる人が、そのお茶の特徴や育った環境、作られ方を紹介したり、湯を注ぐ前後の香りの違いを楽しんだりするのだとか。
ただ飲むより、背景にあるものを知りながら味わうことで、より美味しさが深まりそうです。
茶葉を見ることも、お茶を味わう時間の一部といってよいのではないでしょうか。
お茶の香りがほっとする理由

蓋をして待っていると、ふわりと香りが立ち昇ってきました。
お湯を注ぐ前の茶葉と比べると、香りの印象もずいぶん変わります。
なぜこんなにも落ち着くのだろうと思いながら調べてみると、お茶の香りは、600種類以上もの香り成分が組み合わさっているのだそうです。
代表的なものには、青々しい爽やかな香りをもつ青葉アルコールや、花のような香りをもつリナロールなどがあります。
もちろん私たちには、1つひとつを嗅ぎ分けることはできません。
けれど、急須の蓋を開けた瞬間にふわっと広がる香りに「なんだか落ち着くな」と感じることはできます。
実際、お茶に含まれる香り成分のなかには、リラックス効果が期待されているものもあります。
ただ、私にとっては、子どもの頃から慣れ親しんできた香りだから安心できるというのが大きいかもしれません。
そもそも、苦味は武器

お茶を口に含むと、最初に苦味や渋みが顔を出し、その後から甘みや旨みが広がってきます。「このバランスがたまらないし、やっぱりお茶って美味しい」と感じられる瞬間です。コーヒーにも同じようなことがいえますよね。
しかし驚くことに、生き物の間では「苦いもの=危険信号」と認識されやすいのだとか。植物には、紫外線や昆虫などから身を守るためにつくられる成分があり、ファイトケミカルと呼ばれています。お茶の苦味のもとになるカテキンやカフェインも、そうした成分の1つと考えられています。
つまり、私たちが「美味しい」と感じている苦味も、もともとは植物が生き抜くために備えてきたものなのです。
それにもかかわらず、人は苦味を受け入れていきました。薬として利用し、加工方法の工夫を重ね、苦味ごと楽しむ文化を育ててきたのです。
一杯のお茶の美味しさの背景には、人の知恵の積み重ねが詰まっているのです。
もっとも、この美味しさを誰とでも分かち合えるわけではなく、我が家にいる猫たちとは、残念ながらお茶を共有することはできません。けれどテーブルの上で急須を淹れているときの音や動きが気になるのか、そっと近くに寄ってきてくれることもあります。
同じお茶を味わえなくても、こうして一緒に時間を過ごしているのだなと感じます。
一杯のお茶の背景にあるもの

苦味まで美味しさに変えられるとは、人って不思議なものです。
気づけば、1煎、2煎、3煎と何度も楽しんでいます。
ふと気になりました。
ここにくるまで、どんな景色を見てきたのか?
どんな場所で育ってきたのか?
もちろん、茶葉は答えてくれません。けれど、少しくらい想像してもいいですよね。
この葉は、かつて茶畑にいたのでしょう。
私はその茶畑を、実際に見たことはありません。
それでも、風に揺れる緑の葉や、朝の光を浴びる景色が浮かんできます。
ときには雨を受け、土から栄養をもらいながら、たくましく育ってきたはずです。
寒い冬には休眠し、春に向けて力をたくわえます。
そして暖かくなる頃、新芽を伸ばしていきます。
その芽を摘む人がいて、美味しくなるように蒸して、揉んで、仕上げてくれる人がいます。遠くの産地から運び、届けてくれる人もいるのです。

本当は、茶葉の向こう側にもたくさんの存在があることに気づかされます。
自然の力だけでは届かない。人の手だけでも届かない。
太陽や雨、土といった自然の営みと、それを支える人々の仕事。
その両方が重なり合って、ようやく目の前の一杯になります。
そう思うと、より特別な味わいに感じるのです。
緑茶は人と人をつなぐ

チャノキは、自力では移動できません。
それでも人に育てられ、運ばれ、守られながら、日本中、そして世界へと広がっていきました。
緑茶は、日本を代表する文化の1つともいわれています。
とはいえ、私はそこまで仰々しく感じたことはありませんでした。
当たり前のように身近にある美味しい飲み物で、日々の暮らしのなかに溶け込んでいるような存在です。
お客さんにお茶を淹れるとき。
「ちょっと休憩しませんか」と声をかけるとき。
ひと仕事終えて区切りをつけたいとき。
新茶の季節を感じるとき。
主役のように目立つ存在ではないかもしれません。
けれど、その場の空気をやわらげたり、人との距離をそっと近づけたりしてきました。
まとめ

急須のなかから茶葉を眺めてみることで、思っていた以上にたくさんの発見がありました。普段は何気なく口にしていますが、香りを感じ、苦味の意味を知ると、お茶の見え方が少し変わります。
そして、一杯のお茶になるまでには、自然と人の営みがあると気づかされました。
効率だけを考えれば、もっと手軽な飲み物もあるでしょう。
それでも急須にお湯を注ぎ、少し待つ。その時間ごと味わうのが、お茶の魅力なのかもしれません。
自然と人。人と人。
そのつながりを感じながら、今日も美味しくいただきましょう。
関連記事:煎茶の香りと旨味を引き出す淹れ方|知覧茶
関連商品:KUTOTEN (知覧茶) 100g
▼商品を確認する
おすすめ商品
-
鹿児島小みかん✕知覧茶【KAGŪ series】
販売元:知覧茶専門店 YOGŪ5.0 / 5.0
(5) 5 レビュー数の合計
通常価格 ¥310通常価格¥310セール価格 ¥310売り切れ -
鹿児島ゆず✕知覧茶【KAGŪ series】
販売元:知覧茶専門店 YOGŪ5.0 / 5.0
(3) 3 レビュー数の合計
通常価格 ¥310通常価格¥310セール価格 ¥310売り切れ -
売り切れ余白|しょうが和紅茶
販売元:知覧茶専門店 YOGŪ5.0 / 5.0
(1) 1 レビュー数の合計
通常価格 ¥280通常価格¥280セール価格 ¥280売り切れ -
売り切れ余情|抹茶入り玄米茶
販売元:知覧茶専門店 YOGŪ通常価格 ¥280通常価格¥280セール価格 ¥280売り切れ -
お茶用ドリップバッグ(空袋)1枚入【余具 series】
販売元:知覧茶専門店 YOGŪ通常価格 ¥70通常価格セール価格 ¥70
- 選択結果を選ぶと、ページが全面的に更新されます。
- 新しいウィンドウで開きます。



