大福茶(おおぶくちゃ)とは?お正月に飲む縁起の良いお茶

大福茶(おおぶくちゃ)とは?お正月に飲む縁起の良いお茶

「大福茶(おおぶくちゃ・おおふくちゃ)」は、お正月に縁起を担いで飲まれる日本の伝統的なお茶です。無病息災や家内安全を祈願する意味が込められています。

大福茶には、煎茶や番茶に梅干しや昆布を加えたものが使われることが多く、その風味豊かな味わいが特徴です。では、大福茶の歴史や作り方、楽しみ方を詳しくご紹介します。

 

1. 大福茶の歴史と由来

大福茶の起源は、平安時代にさかのぼります。伝承によれば、951年に京都で疫病が流行した際、村上天皇が飲んだお茶が病を鎮めたと言われています。

六波羅蜜寺の空也上人が疫病退散の祈祷のために、十一面観音像を台車に安置して京の町を曳き回りました。その際に、八葉の蓮片に割った青竹で茶をたて、仏前に献じ、天皇や病者に振る舞ったところ、疫病が鎮まったといわれています。

このことから、正月に一年の無病息災を祈願して天皇が服する茶「皇服茶」が始まり、後に庶民に広がり、「大いなる福」を招くお茶として親しまれ、「大福茶」として近畿一円に定着したといわれています。

年始に飲むことで一年の健康と繁栄を祈願する風習が広まり、これが現代のお正月に飲まれる大福茶となっています。

 

2. 大福茶の材料と作り方

大福茶は、地域や家庭によってさまざまな作り方が存在しますが、一般的には以下のような材料を使います。

基本の材料:

  • 煎茶
  • 梅干し(乾燥梅や小梅も可)
  • 結び昆布

作り方:

  1. お茶を淹れる
    煎茶や番茶をいつも通りに淹れます。香ばしい番茶を使用する場合が多いですが、お好みで煎茶を使うのも良いでしょう。

  2. 梅干しと結び昆布を湯呑みに入れる
    湯飲みに梅干し1つと結び昆布を入れます。梅干しは塩気が効いたものを選ぶと、さっぱりとした味わいになります。

  3. お茶を注ぐ
    梅干しと昆布を入れた湯飲みに、お茶を注ぎます。このとき、梅干しを軽く潰して風味を出すと、さらに味わい深くなります。

  4. いただく
    一年の幸福と無病息災を願って飲む縁起の良いお茶になります。梅干しと昆布のうま味がお茶に溶け出し、豊かな香りと深い味わいを楽しむことができます。

 

3. 大福茶を飲むタイミング

大福茶は、一般的に元旦や新年の最初の食事である「おせち料理」や「お雑煮」と一緒にいただくことが多いです。これは、新年の幕開けにふさわしいお茶として、家族の健康と幸せを祈るためです。

また、お正月以外でも、特別な日やお祝いごとの際に飲まれることもあり、縁起の良い飲み物として親しまれています。新年にぜひお召し上がりくださいませ。

 

4. 大福茶に込められた願い

大福茶には、梅干しや昆布という日本の伝統食材が使われています。梅干しは、昔から魔除けや健康の象徴とされ、昆布は「喜ぶ」に通じる縁起の良い食材です。

これらの具材が入ったお茶を新年に飲むことで、無病息災、家内安全、そして新しい年に幸福が訪れることを願いながらお茶の時間を楽しみます。

 

5. 大福茶の現代的なアレンジ

最近では、昔ながらの大福茶に加えて、現代的なアレンジを加えたバリエーションも増えています。

たとえば、抹茶をベースにしたり、ゆずや柚子の皮を加えて爽やかな風味に仕上げるなど、お好みのアレンジを楽しむことができます。これにより、より幅広い年齢層の人々に親しみやすい形で、大福茶が楽しめるようになっています。

 

まとめ

大福茶は、お正月の祝いの席にふさわしい伝統的なお茶で、無病息災や家族の健康を祈るために飲まれてきました。平安時代から続くこの風習は、今日でも多くの家庭で受け継がれており、家族の絆を深めるひとときに最適です。

新しい年の始まりに、大福茶を取り入れて、縁起を担ぎながら穏やかなひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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