【知ればトリコになる】ほうじ茶マニアへの道
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【知ればトリコになる】ほうじ茶マニアへの道
ほうじ茶は、かつて昭和天皇も好んで飲んでいたというエピソードもあるほど、人気のお茶です。
本記事では、そんなほうじ茶の歴史を紐解くとともに、効能やアレンジまで、たっぷりお届けしていきます。
「知れば、より美味しい」「知れば、作ってみたくなる」きっと、そんな感覚が待っていますよ。
ほうじ茶マニアへの道、スタートです!
歴史を知る「逆境から生まれたと言うけれど・・・?」
ほうじ茶の歴史は諸説あり「昭和恐慌のために売れ残った緑茶を、京都大学に持ち込んだのが始まり」という逆境から生まれた説が、有力とされてきました。
しかし最近では、この説に疑問が持たれつつあります。
例えば、大手製菓メーカーの森永製菓が、大正14年に「宇治かほる」という高級ほうじ茶を、全国に一斉発売していたことが分かっており、少し歴史があいまいです。
いずれにせよ、全国的にほうじ茶が広がり始めたのは「大正の終わり頃〜昭和初期」と言ってよいのではないでしょうか?
さらに、煎茶(緑茶)の発祥は「中国」と言われていますが、ほうじ茶は「日本」が独自に発展させてきた歴史があります。
先人たちの試行錯誤が積み重ねられて、人々に愛される今のかたちとなったのですね!
効能を知る「温活と低カフェイン」
ほうじ茶は、身体を温めてくれる効果があるため「温活」に最適です。
また、煎茶(緑茶)に比べると「低カフェイン」のため、カフェイン量を調整したいシーンや、カフェインへの配慮が必要な方(妊娠中・高齢者)に向いています。
ではいったいなぜ、この2つの効能を持っているのでしょうか?
マニアな視点で掘り下げてみたところ「火入れ」という製造過程に、答えを見つけました。
煎茶もほうじ茶も、製造の最終段階で火入れを行います。
その火入れの温度は、煎茶が「100℃前後」なのに対して、ほうじ茶は「200℃前後」と、かなり高温です。
火入れの温度は、茶葉の状態や、目指す味・香り、火入れをする職人さんによっても変わってきます。
ちなみに煎茶の場合も、火入れの温度が高くなると香りは出やすくなりますが、淹れた際の水色に影響が出ることもあるのだとか。
「焙じ機」と呼ばれる専用の機械を使って「高温」で火入れされるほうじ茶は、血行をよくする成分「ピラジン」がたっぷり含まれているため、身体が温まるんですよ。
一方「カフェイン」は飛ばされるので、煎茶に比べると「低カフェイン」になります。
アレンジを知る「ほうじ茶ラテ」
今では「ほうじ茶ラテ」を始め、ほうじ茶アイスやほうじ茶スイーツを、当たり前のように見かけますが、ほうじ茶のアレンジが浸透したのは、それほど昔の話ではありません。
チェーン店とコンビニコーヒーにおける「ほうじ茶ラテ」導入時期を調べてみたところ、スターバックスでは2009年に、ローソンでは2017年に初めて導入されたようです。
今回は、そんなほうじ茶ラテを、自宅で手軽に作れるレシピをご紹介します!
材料
・粉末ほうじ茶:1.5g
・熱湯:30ml
・牛乳または豆乳:150ml
・バニラシロップまたはガムシロップ:5〜10ml(※砂糖小さじ1前後でもOK)
基本の手順
1.粉末ほうじ茶1.5gを、熱湯30mlで溶かします。
このとき、砂糖の場合は一緒に溶かしてOKです。
※粉末茶をそのまま使用しても作れますが、茶こしで漉してから作るとよりダマになりにくくなります。
2.牛乳または豆乳150mlを電子レンジで温めて、溶かしたほうじ茶に加えてよく混ぜます。
フォームミルクを加える場合
100円ショップなどでも手に入る「ミルクフォーマー」さえあれば、本格的なあのふわふわも夢ではありませんよ。
「基本の手順」の材料とは別に、牛乳または豆乳を少量用意し、電子レンジで温めます。
その後ミルクフォーマーで泡立てて、「基本の手順2」のものに、ゆっくりと加えれば完成です。
筆者は、100円ショップで購入したミルクフォーマーを使いましたが、思ったよりもフォーマーの勢いがよく、そして手先も不器用ゆえ、牛乳の飛散に大慌てしました・・・!
使用する機械にもよりますが、できれば深めのコップでお試しいただいた方がよいかもしれません。
実際に作ってみると、思っていたようなハードルは感じず「できた!」という達成感に浸れることでしょう。
まとめ
ほうじ茶の歴史はあいまいな部分が多いですが、大正の終わり頃から全国的に広まってきたと言えます。
焦がす直前まで高温で「火入れ」することによって、身体を温めてくれる「ピラジン」が豊富になる一方「カフェイン」は低下するのです。
アレンジ力が豊富なので、ご自分でもぜひ「ほうじ茶ラテ」から作ってみてはいかがでしょうか?
作ってみてしまえばハードルが下がり、丁寧に味わいたくなったり、一杯に対する向き合い方にも変化を感じたりするかもしれません。
筆者の場合は、丁寧に飲むことの意識が広がり「やっぱり、煎茶も急須で淹れてみようかな」と考えるきっかけになりました!